無垢な光に寄り添うのは牙を隠した獣

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俺はこの少女に競り落とされた。 『…お前は黒髪の方が似合うよ。俺の所においで』 __ __ 「懐かしい夢を見たな…」 一ヶ月前、少女に競り落とされた俺は屋敷に連れてこられ、その少女の付き人になった。 その日から執事のように彼女の身の回りの世話や屋敷の掃除や食事の支度が俺の仕事に…。 伸び放題だった金髪は黒く短くなり、髭も綺麗に剃ると、見違えるくらいに清潔感溢れる好青年が鏡に映る。 黒いスーツに着替えて身支度を整えると俺は部屋を後にする。  
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