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悲しみが止まらない
2035年7月20日
シャブでラリった小笠原政信はバイクで深夜の首都高を暴走した。小笠原はM学園の数学教師だ。
2035年7月21日早朝
新宿の雑居ビルで武田清史郎って男が自宅で拳銃自殺した。
組織犯罪対策部は武器製造違反事件で家宅捜索直前、武田はトイレに行きたいと申し出たので板垣慎之助警部は、「行ってこい」と許した。7分後、銃声がした。
同日正午
磐越西線に乗り込んだ友永は椅子に座った瞬間チクッ!と、刺激痛を感じた。座席に約3センチのまち針が刺さっていた。
伊藤政之が殺されてしまった。友永は高原春奈を殺した奴から伊藤も狙われていたのだと推理した。
安井は、『女優殺しのホシは伊藤に決まっている』と豪語していた。
友永はこれまでも何度も危険な目に遭っている。だが、それは運がいいのだと勘違いしている。安井とはよく鬼ごっこしたり、トランプをやったりした。ババ抜きに負けた方が大統領を殺すんだ、なんて危険なゲームをやったりした。友永はいつも負けてばかりだった。20回勝負したが、安井は19回も勝った。これが運命を左右するとは誰も思わなかった。ゲームの勝敗も頭の良し悪しが絡んでくる。
2035年7月23日早朝
安井は清洲城の前を歩いていたら斧男に全身を真っ二つにされて殺されてしまった。
友永は安井が嫌いだった。
その理由は電話が長いから。
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