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一通り目ぼしい物をチェックした俺は、 レア度と言うステータスがある事に気がついた。
魔物から手に入れた魔石や武具には全て表示されているようだ。 ちなみに購入したコンパウンドボウや、 ファイターナイフにはレア度と言うものが表示されてはいなかった。
「ゲームなどでよく使われているシステムだろうが、 今の段階だとイマイチ価値がわからないよなぁ。
それよりも、 まさかモンスターから武具やスキルの書を手に入れる事ができるなんて。 ビックリだよな」
俺はブラッドナイフを握り、 なんとなく刃先に指先を当ててみる。 少し触れた程度の指先は血が滲んでいた事に驚いてしまった。
「いたっ! なんて斬れ味だよ…… モンスターから手に入れた防具は、 この世界のレベルの物より強力なのかもしれないな…… 」
俺は試しに台所にある果物ナイフへと軽く斬りつけてみた。 果物ナイフの表面に薄っすら溝ができている。 恐らく本気でブラッドナイフを振り下ろせば、 真っ二つに切断してしまう程の斬れ味に俺は言葉を失う。
「これでレア度が★1つかよ…… レア度★★★の鬼血の手甲は最強なんじゃないか? 」
真紅の色はとても禍々しく見える、 手の甲部分には勇ましい鬼の顔が造形として施されていた。 手首から肘にかけては黒い背骨の様な模様が入っているのだが、 繊細な細かい造形に思わず見入ってしまう。 ふと、 呪われていないか少し心配になってしまうが、 俺は右腕に装着してみる事にした。
腕を通した瞬間、 鬼血の手甲がまるで皮膚の様に腕へと吸い付いてくると、 俺の腕に合わせて姿を変えていく。 カシャカシャとパズルの様に表面が動きスリムなフォームへと変化したのだった。
「うぉぉぉっっっ!! なんだこれっ! す、 すげー! 」
マジマジと見るとなんとかわかるのだが、 まるで生きているかの様に血液のようなものが循環しているようにも見えるのだ。 造形を変えて手にフィットするなんて考えられない代物だろ。
軽く手を握ると力が溢れてくる……
力を込めて右手を握り締めた時だった。 表面が再びパズルの様にカシャンッと音を立て高速で形を変えていく、 20㎝程広がると変形を辞め腕を守るシールドの様なフォームへと姿を変えていた。
「グハァッ…… か、 かっこよすぎるだろうがぁぁっ!? 」
俺の中で最もカッコいい防具として刻み込まれた瞬間だった。 両腕どちらでも装着できるようで、 左腕に装着してシールドとして使う事に俺は決めた。
カシャンッ!
「ふふふ…… 」
暫く満足するまでフォームチェンジを堪能した俺は、 ステータスのチェックを始めるのだった。
カシャンッ!
ふふ……
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