世界の為に前準備

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ピンポーン! インターホンの音で目が覚めた俺は、 ベッドから飛び起きて玄関へと向かった。 昨日ネットで注文した物が届いたのだが、 かなりの量の箱に焦ってしまった。 早く開けたくてソワソワしてしまうのは秘密だ。 「ふふふ…… 遂に来たか! 」 俺はまるで子供の頃の気持ちが蘇るように、 ワクワクした気持ちでクリスマスプレゼントを開ける瞬間の、 子供の表情をしていると思う。 手荒に箱を開封していくと昨日ネットで注文した武器や防具が次々と現れる。 「きたー! ホワイトウルフ 4140カスタムスチール31ラバーこれはなかなかカッコイイなぁ…… 」 右手に握り締めたコイツは特殊警棒だ、 グリップはゴム製のラバーグリップが採用されており、 掌にピタッと吸い付く。 ホワイトウルフはフリクションロック式で、 警棒を振って出し硬い場所に叩きつけて収納するタイプとなっている。 サイズは収納時29㎝最大まで伸ばせば77.5cmとかなり長い。 しかも曲げ加重テストは約1500 kgとまず折れる事のない代物だ。 ちゃんとホルスターも付いているので邪魔になる事は無いだろう。 ゲームなどでは斬撃が効かないモンスターもいるし、 一応打撃用で購入した形だ。 次はコイツ、 サボタージュタントーハードファイターナイフこれはデザインにドクロのマークが入っていてちょっと中二病チックな感じなんだが、 極厚ブレード8mmの超ハードナイフでとにかく折れないときたもんだ。 握った感じグリップも良さそうだしメインとして実戦でも使えそうだ。 たしか価格は2万切るぐらいだったかな。 そして防具はコレ…… プラズマ-XシールドL130万ボルト。 強力な威力のTMM社スタンガンに強靱なポリカーボネートを組み合わせ、 刃物などの凶器から身を守りつつもスタンガンでの威嚇や撃退を可能とした画期的な防護盾型スタンガンだ。 盾本体として使用されている4mm厚のポリカーボネートは、 ジェット戦闘機の風防にも使用される強靱な素材でもある。 日本刀でも刃が立たない強度を持ち、 金属とは比較にならないほど軽くて、 更に透明なので盾を通して相手を確認する事ができる優れ物。 重さは約3kg。 「ふふふ…… 化け物に通用するかわからないが、 試す価値はあるでしょう! 」 俺は空間ボックスへと全て詰め込むと直ぐにダンジョンへと移動を開始する。 むぅ…… 移動はチマチマと原付だがしかたない…… ダンジョンまでは家から10分ぐらいで行ける距離だ、 まさにダンジョンへ通いなさいよって感じだよな。 直ぐにダンジョン入口まで辿り着いた俺は、 空間ボックスから武器を取り出してベルトへとホルスターを装着していく。 一応左手にはXシールドを握り締めているが、 少し大きかったかもしれないと後悔してしまった。 「邪魔になったら空間ボックスへ収納しよう…… 」 準備が整った俺は薄暗いダンジョンへと入っていく。 初めて入った時とは違い、 ライトなしでもダンジョン内がわかる。 周囲を警戒しつつも先へと進んで行くと、 ネームドモンスターのブラッドオーガ を仕留めた場所まで辿り着いた。 「さて、 未開の地を探索と行きますか! 」 右手で腰のホルスターからファイターナイフを取り出し握り締めるが、 緊張からか掌が汗ばんでいるのがわかる。 ダンジョン内は岩肌が剥き出しになっていて、山を直接削って道を作っている感じだて感じた。 ダンジョンって言うよりは洞窟の方がわかりやすいよな。 暫く何事も無く進んでいると急に道が直角に曲がっているのが見えた。 明らかに人工的な道に違和感を感じてしまったが、 一本道の為俺はそのまま進み直角の道を曲がった。 「…… うそだろ。 なんだよコレ! 」 視界に広がる大空洞に俺の足は竦んでしまった。 恐らく1㎞ぐらいの空間だろうか…… 俺が立っている道が大空洞の中腹辺りまで伸びているのだが、 この道以外は底が見えないぐらい深い谷底になっていた。 道幅は1mはあるが足を滑らせれば俺の命はないだろう。 このまま進むか悩んだが俺はゆっくりと足を踏み出した。 何となくだが行かなければいけない様な気がしたんだ。
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