淫夢

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淫夢

勘解由小路真琴は微睡みと夢の中にいた。 田園調布の勘解由小路邸のベッドの上には、勘解由小路が土下座をしていた。 「そんな訳で、お願いしますよ諫早さん。ムラムラが止まらんのだ。お前のおっぱいと腰は強力な磁場を帯びていて、俺は物凄い勢いで吸い寄せられそうだ。なあ、しようぜ諫早」 諫早真琴は、どうして目の前の男が土下座をしているのか理解出来なかった。 この男が優れた知性を持ち、強力な力を有しているのも解る。 そこまでの男が、こんなおぼこ娘にみっともなく土下座をしているのだ。 諫早は、ベッド脇に立ち、勘解由小路の頭を見つめていた。 「何故です?そんなにですか?私は男性を知りません。私にそれほどの価値があるのでしょうか?」 「あるとも。俺にとってはおぼこだろうが経験豊富だろうが構わん。現におぼこをいただいたことなどない。俺の初体験はクラスでもビッチ扱いされていた同級生の女だった。実際いいおっぱいだったし、ビッチですらなかった。海外じゃ普通の、どこにでもいる女だった」 「トキさんに追い出されたんですよね?その人は」 「ああ。あいつはそんなことばかりだったよ。だが俺の横には今トキはいない。興津も根来もいない。て言うか要らない。お前が必要だ。とりわけお前のおっぱいが。諫早真琴さん。俺におっぱいをください」 シーツに額を押し付けた勘解由小路の実に情けない、格好の悪い姿を見て、諫早は大きな溜息を吐いた。 「未経験ですが。お好きにどうぞ」 「よし!よしよしよし!諫早こっちに来い!ベッドに座れ!俺の永久機関は今火が入った!もう止まらんぞ!あー!諫早の襟の匂い!女の匂い堪らん!」 そう言いながら、やおら勘解由小路は諫早のシャツに手をかけた。片手で実に器用にボタンを外していく。 「ちょっと待ってください。今は夏の盛りです。汗をかいています。シャワーを浴びさせてください。うん」 荒々しく諫早の唇を塞いで、勘解由小路は諫早の二の腕の付け根に顔を突っ込んだ。 「発見したぞ諫早。脇汗染みだな?全然構わんペロペロ。あー、おっぱい柔らかい」 「あ、ま、待ってください。そこは、今凄く敏感なんです。多分トキさんの言う排卵期が、いやん」 勘解由小路は、諫早が敏感だと訴えるおっぱいの先端にむしゃぶりついたのだった。 勘解由小路は一匹の獣になって諫早に覆いかぶさった。 その後一週間、勘解由小路と諫早は裸で絡み合った。誰が来ようが、電話があろうが構わず、諫早の胎内に熱い液体を流し込み続けたのだった。何が何やら解らない内に、諫早の胎内に可愛い双子が宿っていた。 シーンが変わり、真琴の視界は崩壊した諏訪湖が広がっていた。 あ、降魔さん。 花で埋め尽くされた野原には、びしょ濡れで眠ったままの諫早と、呼吸を確認してホッと一息吐いた勘解由小路の姿があった。 勘解由小路の右手は、石山さんの力か猛烈な早さで再建手術が行われていた。 意識を失っている真琴を見ている真琴がいたのは、これが夢であるからで、そんなのはお構いなしに勘解由小路は真琴の上下する胸を見つめていた。 「何だな。綺麗に片付いた。俺の霊力は見事に満タンで、あれもパンパンで、堪らん。このおっぱい。冷えてないかな?あっため合おう」 真琴の浴衣の帯を解き、浴衣を開いた。たわわなおっぱいと、今と同じスッキリしたお腹が見え、おっぱいに勘解由小路がむしゃぶりついたのが見えた。 舌先でいやらしく転がされるのを見て、真琴のおっぱいもムズムズとした感触があった。 足を開かれて、勘解由小路のオス蛇ちゃんが侵入したのが解り、真琴は思わず腰をよじっていた。 ああ。素敵(しゅてき)でしゅ。オス蛇ちゃん素敵(しゅてき)♡おっきい♡ 「冷たくなっちゃってるぞ諫早。雨で濡れて、唇紫色になっちゃってる。ああ。でも中はとろっとろで凄くあったかい。もう中は妊娠する準備出来てるね。俺も出来てる。満タンになった俺の子供産んでくれ。ああ、ああああああ。諫早ーーいや、真琴。ああ可愛い」 思わず、真琴は下腹部に手を添えていた。自分の中に、散々感じていた勘解由小路の熱さと、新たに芽生えた命の萌芽を感じていた。 またシーンが変わる。真琴はもう理解していた。 ここは、フォックスグランドホテルの最上階スイートだった。 真琴は、一足早く部屋に入り込み、二人がよく見える位置で振り返った。 真琴はサテンのコートを、夫は黒い二重回しを羽織っていた。部屋に入ると早速勘解由小路は真琴の服を脱がしにかかった。 「あん♡まだ駄目ですよ♡お風呂に、いやん♡」 「俺は気にせんと言ったはずだ。エロ蛇ちゃんを美味しくいただいちゃうぞー」 覚えている。まるで昨日のことのように。 まず勘解由小路は、立ったままで真琴を抱いたのだった。満天の都心の夜景を見ながら、真琴は自身の胎内の変化を感じていた。 「きゃあ!危ないですよ降魔さん!」 真琴の介助を受けて、勘解由小路はその場に跪き、真琴のスカートの中に顔を突っ込んだ。 「あー。エッチな真琴パンツ下ろしちゃうぞー。うん、アリスちゃんは臨戦体勢整ってるな。治に居て乱を忘れない真琴のアリスちゃんエロすぎるぞ。いただきまーす」 股間を舐めまわされて悶える真琴を、真琴は冷静に見つめていた。 あえて第三者の視点で見た己と夫の振る舞いに、改めて胸の高鳴りを感じていた。 真琴は自分からスカートを捲り上げていた。 ああ。私は窓に背を向けて、降魔さんは私の足を抱えて、ああ大っきい♡大っきいオス蛇ちゃんが♡ 真琴は目を皿にして己がなすがままにされているのを見つめていた。 「ああああああ。凄い。メス蛇ちゃんのアリスちゃん最高だ。今度はあれだ。反対向いてお尻上げて。ああエロい。アリスちゃんが俺を待ってるね?連続だけどいい?」 「「勿論でちゅ。オス蛇ちゃんくだちゃい」」 夢と現実の真琴の声がユニゾンしていた。 ああ♡降魔しゃんのオス蛇ちゃん素敵(しゅてき)♡大っきくて反り返っていて、固くて♡ 真琴は息も荒く自分の中にオス蛇ちゃんが入っていくのを見つめていた。 この日、真琴は数年ぶりに緑が出来たのを確認していた。 このままベッドで朝まで。明けてモルディブに行き半年間天国のように。ああしゅごい♡降魔しゃん素敵(しゅてき)しゅぎりゅ。 逆に私への嫉妬心が燃え上がりますね。今すぐ私をベッドから引き摺り下ろし私が抱かれたいのに。 鬱陶しい虫をはたき飛ばして、真琴は目を覚ました。 家の外では、晴明と紀子が術比べをしていた。 あら?緑くんは? 匂いを追跡した。静也やジョナサン・エルネストほどではないが、真琴も鼻が利くのだった。 真琴は立ち上がった時、自分の下半身と胸が湿っているのを確認してハッとなった。 改めて認識した。自分は勘解由小路を相手にする時だけは二ンフォマニアであると。 ある日、裸で抱き合いながら言われた。伊豆での騒動の後のことだった。 「可愛い真琴。俺が好きか?それとも、俺のオス蛇ちゃんが好きなのか?」 「勿論降魔さんもオス蛇ちゃんも大好きです。それ等は完全に不可分です」 「うん。朝起きて、真琴は寝てるのにその手は俺のオス蛇ちゃんをぎゅっと握っててヒヤっとした後幸せな気持ちになったもんな。今でも想像するとオス蛇ちゃんが暴れ出しちゃうんだ。こんな風に」 まあ。真琴は息を呑み、そのまま朝まで、実際は三日間かかってオス蛇ちゃんを大人しくさせたのだった。 それで構わない。真琴は最高の二ンフォマニアです。降魔さんにだけ淫乱になります。何がいけないんでしょうか? 見えた。緑がよたよたと廊下を歩く後ろ姿が見えた。 緑くん。声をかけるまでもなく、その姿が遠ざかっていった。 真琴はこうして、一人姿を消した。
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