始まる修学旅行と次元転換機

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死々戸迦風花は、突然こんなことを言い出した。 「飯島、京都に行くぞ」 「うまい棒齧りながら何言ってんだお前は。今日は俺のサンドイッチ食わないんだな」 「流石に飽きたぞ、ふんべんは」 「ふんわりベーコンだろうが!何で京都なんだ突然」 「そうだ。京都行こうって言ってた。多分何か俳優が」 それJRのCMだろうが。 「金はいくら持ってんだ?」 「今月はまだ余裕がある。うまい棒が買えたくらいだ。お前に私の神々しい財布を貸してやろう。勘定するがよい」 「ああ。この神々しいクソ財布な。お前、ゴールデンウィーク明けに30円しか入ってねえんだけどよ。あと20日どうすんだ?」 「月末に小遣いと言う名の後方支援がある」 こいつの親の面拝んでみたい。 「せめて畳んで入ってないのかお前は」 ふふん。せせら笑うように死々戸は言った。 「近距離の移動なら飛んで武林がいる。あいつの背に乗って移動するのだ。なあところで飯島。パンツ脱いでくぱってしてやるから飯おごってくれ」 そこ動くなお前はあああああああああああああ!!殴りかかった飯島を必死で止めた冷泉さんをよそに、現れた三芝優子は言った。そういや三芝んちだった。 「そんな馬鹿はどうでもいいよ。で、飯島君。あんたから聞いたドラゴニアだっけ?それ聞いて私も噴飯した。それで、とりあえず作ってみた。完全改良型次元転換機。今度は凄い。その辺の小石と遥か彼方の物質を入れ替える。早速使ってみる。里中、スイッチ入れて」 ああいたのか里中。こないだ災難だったな。 最新の正義のメタルスーツ、メタルマサカー(馬鹿か)の正パイロット里中実里(さとなかみのり)が、最大限の警戒と共にスイッチを押した。 「座標はだいたい判明したアースツーのどこか。きっと凄いのがくるよ」 「どこまで雑なんだ。もういいよ勇者は」 光が収束し、空間を割ってそれは現れた。 現れた女は、グースカ眠っていた。 「で、三芝さんよ。こいつは誰だ?メタルマサカー以外でまともな発明ってないのか?」 心底脱力して、飯島は眠りこけた女を見つめていた。 ナイスバディの美人なおばさんは、歯ぎしりしていた。 ぶって寝屁をこいたのが聞こえた。
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