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「えっ、なんで!?」
青空はぷんぷんと怒り出す。せっかく勇気を出して覗いたのに、いやがられてしまったこともなんか寂しくて取り繕った。
「お前にはムリ」
「えっ、なら他のやつならいいの!?」
早速髪をボサボサに掻き回して、服を前後ろ逆に着ようとする青空。どうやら別人を装うとしているらしい。
「そういう問題じゃないけど、お前にはもっと無理ってこと」
ていうかそれ、いつも通りのお前だけどね、とぼそぼそと言う彼に、青空はいじけて見せながらも珍しく反応してもらえたことにこっそりと喜んだ。
そしてまた青空に見えない角度でスマホのロックを開けようとしたのをみて、声をあげる。
「あ、あのさ!!」
裏返る声。緊張しているのだ。海人もそれに気付いたのか、「ん」と声だけ反応してくれる。
「おおお俺と、な、夏祭り行かね...?」
「...え」
スマホをスクロールする手が止まる。海人も動揺しているのだ。何せ初めてのお誘いなんだから。
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