いざ夏休み

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過ごすっていっても、話すっていっても、それはいつでも青空からの一方的なものでしかなく。 夏休みも中盤の今、勉強の苦手な青空は宿題を投げ出してここへやって来たのだった。 さすがに毎日来る訳じゃないけど、ほぼ必ず海人はいて、今日も相変わらずの場所で寝っ転がっている。 クラスではおとなしいキャラで固定されている海人は、「話す」友達がほとんどいない。 鼻が高くて、目が眠たげな切れ長で、背も180はゆうにあって、成績も常にトップ。 そう、多分皆話しかけたいけど話しかけられないのだ。「話す」友達はいないけど、「話しかけられる」友達はいるというわけだ。 そんな中青空が親友でいるのは、彼が天然で(悪く言えば無神経)、中学が一緒で、家が近所で、この神社が好きだから。
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