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「えっ...いやっ、お前今日変だって...!髪型と一緒に脳ミソまで変えてきちゃったんじゃねーの...?お前がそんなっ、俺のことそんな風に思ってるわけ...だって、いつもあんなに冷めてるしさ...し、しかも俺男だし!」
突然の告白に照れながらも、我に返り考え直そうとする青空。それでも海人は躊躇わず首を振った。
「別に性別とかじゃないし脳ミソも変えてないから」
「ま、真面目に受けるなし...」
真顔で反論する海人に気後れしてしまい、口を結んでまた俯いてしまう。ずっと心臓のドキドキが止まらない。こいつってこんなにかっこよかったんだとか、なんで今実感してるんだろう。真下に向いていた視線をほんの少しだけ上げて、屈んだ海人の目を見つめる。
十秒の沈黙、十秒の視線の絡まり。十秒も目が合えば──
「おっ、俺もっ...すき.........かも...」
(わけわかんねぇっ、なにいってんだおれ!!)
やっぱなんでもないから、と否定しようと顔を前に上げた青空の目の前にあったのは海人の綺麗な顔だった。彼は今までにないほど幸せそうに、綺麗に笑って、
「嬉しい」
と言った。そして瞬間、唇同士がくっついたのだ。
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