お持ち帰りされまして*R18

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**視点なし(今まで通り) 外からのピヨピヨという小鳥のさえずりとカーテンの隙間から差した朝陽が朝を告げる。 青空はダブルベッドの上で大の字で寝ていた。もうそれは見事な大の字に。海人は横にいない。 開け放たれた海人の寝室に流れ込んできたのはコーンスープのいい香り。青空の鼻はひくひくして、その香りを逃さない。 「ん~...」 横に投げていた手でむにゃむにゃと目を擦る。もう片手で温もりを探したが当然なく、青空はパカッと目を開けてガバッと起き上がった。起動が早い。 「あれ?」 自分が大の字になっていたことに気づいた彼は、ムクリと起き上がってベッドから降りた。しかし足がいたいことを忘れていて、トンッと降りた拍子に変な悲鳴をあげた。 「うぎゃ~っ、痛っ!」 「だ、大丈夫、どうしたの」 海人はその声を聞き、ドタドタと階段を上ってすぐに駆けつけてくれた。足の事に気付いて、青空を前に抱っこしてリビングへ向かう。 「呼んでくれたら行ったんだけど」 「へへ、忘れてた!」 「何それ」 相変わらずアホだな、とでも言いたげに海人は青空の頭をよしよしと撫でる。もう端からみたらただのラブラブカップルでしかない。 「いいにおいすんだけど!」 青空はすんすんと鼻を鳴らしながら台所を見る。海人は可愛さに目がやられた。 「ご飯、作っといた」 「まじ!ありがとう!」 机には香ったコーンスープと、パン...ではなくご飯とひじき、牛乳だった。 「な、なんか変わってる?」 「そう?俺はこれが好きなんだけど」
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