やって来た夏祭り!

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「えっ...誰...?」 「海人だけど」 そういうのも無理はない。まず海人の私服は超絶ダサいのだ。学校のある平日の放課後は制服だから分からないが、休日ここにいるときの格好は、そんな服どこで売ってたの?というほど似合わないしへんてこなのだ。 あと眉毛位置よりも下まである、ほんとに目にかかりそうなギリギリラインのさらさらな重い前髪が特徴。彼の切れ長な目がよりいっそう眠たげに見える要因である。青空はいつもベンチに寝転ぶ彼の顔を見ているから、少し崩れる前髪カーテンの隙間からチラリとおでこや眉毛の一部が見えるが。ちなみに綺麗な黒髪だ。 今日はその前髪をワックスで全上げしている。短めの後ろ髪と上手くワックスで整えられていて、切れ長な目と程よい広さのおでこ、そしてキリッとした眉毛が...見えているので、もはや別人なのである。 そして!!服は海人も浴衣を着ているのだ。体のサイズに合っていて、黒字に灰色の細いストライプの入った柄がほんとに良く似合っているのだ!!さらに高身長!長い手足!!これに見惚れない人間はいないのである。 「いや...めっちゃ格好いいな...」 こんなに変わるんだ...と思わず口を閉め忘れて海人を見上げる青空をみて、海人は心の中でこっそり激しくガッツポーズをした。顔は無表情であるが。
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