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お持ち帰りされまして*R18
「おーろーせー!!」
「やーだ」
脚をバタバタさせて抗議する青空。彼が乗っているのは海人の背中である。
あの後、花火に見とれすぎていた青空は最後の一段でまた足を踏み外しグリッと捻った。
仕方がないので最後の段でみんなと一緒に腰を掛け、そして今は花火を鑑賞した後の海人の家への帰り道のことである。
脚をバタバタさせながらも、落ちるのは怖いのか腕は海人の首に巻き付けたままだ。そんなところも可愛すぎると海人は思った。
「じゃあ自分で歩けるの」
「それは...」
「...そんなに嫌なら降ろすけど」
海人はわざと声のトーンを落として落ち込んでる風に見せ、歩く足を止めしゃがもうとする。
「あぁぁ!嘘です痛いから歩けないです!!」
「ならいいけど」
首に回す腕にさらに力を込めて慌てて訂正する青空。顔が見えないのを良いことに海人は嬉しそうに笑った。
「だってこれ恥ずかしいんだよ...」
周りの通行人に聞こえないようにこっそり言う。
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