蓼喰う、喰わず。

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じじばばが子供を預かりたい口実に「たまにはふたりでゆっくり食事でもいってらっしゃい」なんて余計な気を回したお陰でこんな目にあっている。ここのところ子供を介してだけ話せばいい日々が続いていて、この苦行からようやく解放されたと思っていたのに。 「妹ちゃんがここにきたんだって」 うっかり口にしてしまった緑の葉っぱをジャスミン茶で流し終わったらしく、何か話しかけてきた。 「こんなカメムシみたいな味の葉っぱが好きとか全然わかんない」 どんなもんだって好きなやつは好きだし、嫌いなやつは嫌いだろ。嫌いなら食わなきゃいいだけだしそもそも嫌いならパクチーが入ってない料理頼めよ。
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