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変わらないで済むことがなにより大事な俺と、わかりやすいステイタスが欲しくてたまらなかった女。どっちも大した優良物権じゃない。俺の方にだって自覚はある。
端から見たら俺らはどう見えるのか。
あんな男のどこがいいの?
あんな女がいいの?
われなべにとじぶた ね。
たでくうむしもすきずき っていうもんね。
なんてところか。自嘲気味の笑いが浮かんできそうになったところで、伝票を持ち上げる動作が視界に入った。
「そろそろ帰ろっか」
ようやく満足したらしい。適当に相槌を打って先に駐車場へ向かう。まずは一服。このあと食事の感想という名の愚痴を延々と聞かされるかと思うとハンドルを握る腕がずんと重くなる。それでも俺はこいつを乗せて実家へと向かう。
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