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しばらくして迎えにきた娘の車に乗って、早速シゲオの急な外出を伝えると、
「お父さんの釣り好きは否定しないけど、孫放り投げていくのもどうかと思うわ、ねー。チトセ」
「ねー。ドゥッフィーのでっかいぬいぐるみ、じいじにおねだりしようと思ってたのに」
娘と孫の身もふたもないやりとりに、本日の出費を一身に引き受けざるを得ない状況に置かれたマサコは苦笑いするしかない。
全くもう。
お父さん、まんまと逃げちゃって。
あそこは人も多いし、広すぎて疲れるのに……。
とはあえて口にせず、孫の前で優しく微笑む。
「パパがいるでしょ、チトセ。今度のお休みにお願いしたら」
「……パパ、忙しいからってずっと帰ってこないんだもん」
「……ハル?」
「……ほら、チトセの好きなの歌おうか。何て曲だっけ」
唐突に話題を変える声とミラーに映る眼で、マサコは娘の心情を何となく察したのだった。
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