恋せよ少年(仮)

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恋せよ少年(仮)

 涼介と保、理沙、そしてゆず葉は市立東高校の2年生。  涼介と保はともにサッカー部でボールを追う青春少年・・・なんだけど。  保は、一年の終わりから付き合い始めた理沙に夢中で最近は色気に走り気味。  涼介は、そんな保をからかいながらも、暖かく見守っている。  理沙とゆず葉は中学2年からの親友で、理沙は中学時代から少し大人びていて、男子にも人気があった。  3年の先輩に告白されたり・・・いらゆるモテ子だ。  ゆず葉は、あまり目立つ方ではなかったけど、何故だか理沙とは気が合って いつも一緒だった。  4人は高校1年の時からの同級生。  涼介と保、理沙とゆず葉  二組の親友同士が、保と理沙の恋をきっかけとして、心地よい4人組へと変わっていった。  涼介は今、淡い恋心を抱いている。そしてその想いは、日に日に強くなっていった。  最初は多分、本人もちゃんと気づいていない程、小さい蕾のような想いだった。  だけど  それは次第に涼介の心を書き換えていく。隙間を探して種を撒く。  そして  春を祝う新緑ように一斉に芽吹くと、涼介の心を優しく(くすぐ)るのだった。  1年の時は、いや、最近まで特に気にもしていなかったのに、今は気付けばいつも目で追っている。  理沙たち女子と楽しそうに話していたゆず葉が、涼介の視線に気が付き振り向く。そして、微笑んだ・・・かな?  心臓のあたりからつま先まで、柔らかい電流が走った。  ゆず葉は相変わらず理沙たちと楽しそうに笑っている。
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