恋せよ少年(仮)

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 あれ?  何だろう  なんかくすぐったいような、悔しいような、変な感じがする。  でも、なんだろう・・・この、嬉しい感じ。  涼介が初めて感じる、むずがゆい感情。  いつからだっけ?  なんか、あいつのふわっとした笑顔見てると心臓が暴れ出す。  なんか、照れくさくて、嬉しくて、いたたまれなくなる。  涼介は 「おう、(たもつ)」    大袈裟に、声をかけ、保の席に近づいていく。   『ゆず葉。俺を見てよ』  涼介の背中から気持ちがだだ漏れだ。  涼介の心は、保と馬鹿話をしながら右後ろのゆず葉の気配を探す。  時折聞こえるゆず葉の笑い声。  それがどんなに小さくても、今の涼介の右耳センサーは逃さない。   『俺を見てよ』    涼介の声がいつもより大きくなる。 「涼介、お前声でかくね?」  保が笑う。 「うるせー」  涼介は何故か、耳まで赤くなる。  やっべ、なんか超ハズイ。  ゆず葉。やっぱ今は俺を、見るな・・・。
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