快走するナゾの車

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翌朝―― ミニカは、妙な音にはっとした。   間違いない、それは車の走る音だった!   マンションの窓から見ると、 1台の黒い車が走っていた。   「運転してるのは……誰だろう……? まだ人間がいたとは……」   当然ながら、他に走ってる車は皆無のためか、その姿は頼もしかった。   「それに何処から来たのかしら……?」   運転してるのは、 「男かな? 女かな?」   やがて黒い車は、こっちに向かう直線に入った。   フロントガラスに、ちらっと見えたのは――男のようだった。   彼は、人影の全くない街を自分の庭のように走っていた。 ミニカは急いで―― マンションの3階にある自宅を飛び出した。   嬉しさのあまり 「キャッホ――!」 と叫びながら、愛車のオートバイに飛び乗った。 道路に出ると、車の音のする方へ急いだ。 その黒い車は大橋を渡ると、山へ向かうようだった。 ミニカはオートバイのスピードを上げて、その後を追った。
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