アリスは夕暮れに・・・

初めの１年で破綻の兆し。

泣いて帰ることがあった。

「私だけ深夜でもお風呂は最後、
　なのに朝５時には起きて皆の
　食事作り、外食だって一人留守番、
　『別にあなたを嫁にしたかった
　　わけでもないのよ』って
　お姑さんに毎日言われる！」

夫が迎えに来て帰るを繰り返し

そのうちに尚史が産まれた。

産後一カ月で嫁ぎ先へ戻り

しばらくして電話が。

－病気なので引きとってくれ－

両親と慌てて病院へ行くと

土色の顔で横たわる妹、

それから清潔にもされていない

赤ん坊の尚史。

すぐさま転院の手続きと離婚訴訟。

尚史はすぐに健康になったけれど

妹は・・・一言もなく

静かに息を引き取った。