58人が本棚に入れています
本棚に追加
エッセイの趣旨
実はスランプに陥っていました。
たぶん、きっかけは、拙作『おいしいカクテルのつくりかた』が、新作セレクションに選ばれたことでした。
あっ、それ自体は、もちろんとっても嬉しかったんですよ!自分の書いた作品を、エブリスタの編集部さんに認めていただいたことも、読者さまが増えたことも、それによって新たな出会いが生まれたことも。すべて、私の宝物です。
ですが、光が強くなれば、闇が濃くなるように、この嬉しすぎる賞にも、副作用がありました。
少しだけ、すこーしだけ気負ってしまったんですよね(^^;;
なんとなく、以前のようには、自分の作品に自信が持てない状況が続きました。
執筆に手を抜いたつもりは一切ありません。いつも120パーセント以上の要求を自分につきつけながら、書いてきたつもりです。
が、その一方で、これでいいのかな、ちゃんと書けてるのかな、おもしろいのかな、みたいな、自信のない思いが、ずっと心を曇らせていました。
それに輪をかけるように、自信を失わせるような出来事が加算されて、もやもやした気持ちが晴れないまま、それでも書きたい気持ちは抑えられず、衝動のままに書き続けていました。
そんな時に、ある言葉に出会ったんです。
スランプとはなんなのか、という問いに対しての、とあるブロガーさんの回答です。
「なんとなく感覚でできていたことを、理詰めで捉えて再現可能にしようとする過程で発生する、停滞の状態」
(https://blog.tinect.jp/?p=33277 より)
目から鱗がボロボロと落ちました!
は〜、なるほどな〜!、って。
おそらく、創作に関わる作家さまなら、誰でも経験したことのある、スランプ。
いや、創作に関わらず、スポーツでも勉強でも仕事でも、なにかに一生懸命に打ち込んでいれば、陥る可能性のある、スランプ。
スランプに陥るというのは、マイナスなことばかりではありません。
自分にある程度の実力がついた、という証。初心者脱却のチャンスでもあります。
ならば、せっかくのスランプを、生かすことを考えよう。
今までしてきたことの良さ、改善点を、理詰めで捉え直すことができ、いつでも再現可能にすることができれば、自分の財産になるんじゃないか、と思いました。
さあ、スランプの自分を誇りに思い、自信を持って乗り越えよう!
…というのが、このエッセイの趣旨です。
最初のコメントを投稿しよう!