ソラ

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ソラ

 この世界は腐っている。腐った人間が溢れかえっている。  こんな世界なら滅びてしまえばと心の底から思う。だってそうだろ?夢も希望もありゃしない。あるのは絶望と虚無感。そして痛み。  僕の身体は無数の痣による痛みが支配している。口の中は鉄の味がしている。それでも僕は立ち上がり歩かなければならなかった。  これが例えば弱きものを守り、なけなしに付けた傷ならどれだけ良かったろう。何を隠そう僕はその弱きものなのだ。  何が気にくわないのか奴らは僕を痛めつける。最近は特に過激だ。血が出るほどになってきた。そういえば僕の靴はどこへ行ったのだろう。  もう嫌だ。こんな世界。僕には居場所なんかないんだ。小さな僕は何もできないんだ。  もう二度とあんな場所には行かない。これ以上耐える意味なんてこれっぽっちもないんだから。僕の将来は真っ暗だ。そうまるでそこでゴミを漁っているカラスのように真っ黒だ。  カラスは僕を見つめ一声鳴くと僕の遥か上空へ飛んで行った。  もし、僕にも翼があれば……  ふとそんなことを考え、僕は部屋に閉じこもった。
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