雪編

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数十分後 「なるほどねーそんな事が。 最悪だね。 その都築って人。」 「そうなんだよ! しかもどうやらウチの会社の社長の甥らしくてさ…。」 「あーまたそれは厄介な…。」 「もうやだ。あの人来てから会社の雰囲気悪いしさ…。」 気づけば私は香に愚痴っていた。 「あ、ごめんね!香!」 「ん?あたしは別にいいよ。 そんな会社ならストレス溜まるってそりゃ…。」 「ありがとう。ちょっと楽になった…。」 「それならよかった。 けどそれならあたしに話してくれたら良かったのに…。」 「んーそうなんだけど、香に悪いかなーって思って…。 って結局、愚痴ってるけど。」 「みずくさいなー雪は。」 「ごめんね…。」 「いいよ。でもまあ、そんな簡単に話せない時って誰でもあるしねー…。」 「香は?」 「え?」 「愚痴ないの?」 私ばかり聞いてもらうのは申し訳ないなと思った。 私だって香の力になりたい。 「んーあたしは別に。」 「え!そうなの!?」 「うん。今は消化されてるからだいぶ。」 「消化…?」 「香の言った事に最初意味が分からなかった。 雪、これ知ってる?」 「そう言って香はバッグをゴソゴソしスマホを取り出し、1つのアプリを私に見せた。」 「愚痴cleanアプリ?」 「そう!」 「知らない。なにこれ。」 「あたしもね。最近見つけたんだけど、このアプリすっごいいいの!」
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