ボクと、飲みませんか?

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それから、ボクは、暇を見つけては、あの彼と出会ったバーに顔を出すようになった。 普通のバーだから、ボクの行きつけのバーみたいに、声をかけられる事はなかった。まあ、でも、後ろ姿で、女の子と間違えて、ちょっと声をかけられることもあったけど、やっぱり、バーとしての格が、いつものバーより高いから、ナンパとかあまりないみたい。絡まれないし。 バーテンさんと話すようになってたから、聞いてみた。 「あの人来ませんね。」 「あの方は、仕事が一段落しないと、きませんよ。」 「そうですか。」 「本当は、お客様のことは、喋れないのですが。」 「ありがとうございます。」 「いいえ。」 この日も来ないのかなって、カクテルをチビチビ飲んでいた。 「君、来てたんだ。」 声のほうに振り返ると、あの彼だった。 「会えた。やっと会えた。」 すごく、すごく嬉しかった。 「俺と会えたのが、そんなに嬉しい?」 「はい!とても!」 「そんなもんか?若くもないし、イケメンでもないのに。」 「えー?イケメンですよ。」 「そっか?君は可愛いな。」 「え?」 彼は、笑って、ボクの髪をくしゃくしゃっと、かきまぜた。 その顔にドキッとした。
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