古ぼけた神社で交わした約束

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もう建てられて何年経ってんだろうな。 本殿の木材は腐りかけ、手入れもされていない。 巫女や神主も居ない、そもそも俺以外にこの場所を訪れる人なんてやんちゃな奴らだけだ。 現に神聖な筈の神社の表道には缶ビールなんかのゴミが散乱している。 何度片づけてもきりがない。 祀られてない神社なんて存在しないのも同じだ。 「君、こんなところで何やってるの?」 誰にも刈られないから自由に伸び切ってしまっている草木をかき分けて、真っ白のワンピースを着た女性が俺の元に近づいてくる。 この地では見ない顔だ、旅行者かもしくは旅人かもしれない。 ここの事を知ってる人ならこんな場所来ないだろうし。 「別に何も、あんたこそそんな格好でこんな場所来るなんてどうかしてるだろ?」 「・・・?どうして?」 「虫にさされるぞ?」 「そっか。次から気を付けるね」 次から?まさかまた来るつもりなのか? 夏休みだけどこんな辺鄙な場所に来たって何もないのに。 そんな事を思っていると彼女は本殿に近づいて腐りかけている箇所を手で触る。何を・・・?と思ったけどその彼女は凄く悲しそうな表情をしていて何も言えずにその光景を見ることしか出来なかった。 (何であんな表情するんだ・・・?) 理解できない。
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