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たくさん話をして、川村さんはもう一軒誘ってきたけど断った。
飲み屋で適当に楽しむことに、興味もない。
仕事の付き合いで行くくらいだ。
電車を降りて、アパートまでの道を歩きながら考える。
熱しやすく冷めやすい自分。
付き合った相手とはいつもそれで失敗している。
「こんなはずじゃなかった」って言われて振られている。
そして、その相手のことを追うこともなかった。
恋愛に向いてないんだよなぁ…。
ま、いいけど。
アパートに着くと、女性が一人エレベーターを待っていた。
デニムに薄黄色のシャツ。
肩より少し長めの髪を後ろで黒いゴムで結んでいる。
会社帰りのOLではなさそう。
エレベーターが来て乗り込むと、「何階ですか?」と聞かれた。
「その階なんで大丈夫です。」
とだけ答え、エレベーターが5階に着くと、その女性が開閉ボタンを押し続けてくれていた。
「ありがとうございます。」
そう言ってエレベーターを降りると、後ろから足音がした。
同じ方向か。
そして俺は自分の部屋の鍵を取り出していると、足音は俺を通り越して隣の角部屋で止まった。
鍵を開け、ガチャッとドアを開き部屋に入ろうとしたとき、俺はチラッと隣を見て部屋に入った。
靴を脱ぎ、スーツの上着をソファーの背もたれにバサッとかけ、ソファーに座った。
隣の人、あーゆー人だったんだ。
歳は多分俺より上。
背は150センチくらい。
顔は、普通。
そして何より、いつも楽しそうに笑ってる人。
また声出して笑うのかな。
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