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一か月ほど前には、真が足の間に布団を挟んで寝ていて、布団を引き抜こうとした拍子に腰と肩を痛めた。それから、私の肩と腰には湿布が欠かせない。
さすがに、智也と会う時に湿布は貼っていたくないから、痛み止めを飲んでいる。
対して、冨田課長は湿布なんかには縁がなさそうだ。
比べたって、惨めになるだけ。
出産経験のない彼女は胸もお尻もキュッと上がっていて、骨盤も歪みがなさそうに姿勢よく颯爽と歩く。
三歳ばかし若くたって、私には彼女に勝っているところなんて一つもない。
だから、もしも智也が過去に冨田課長と付き合っていたのなら、今の私は恥ずかしすぎる。
そんなことを考えていたから、保湿クリームを塗り忘れ、冨田課長のふっくらとした唇を思い出して智也を拒む結果になった。
最悪だ……。
せっかく一緒に過ごせているのに、智也を怒らせ、気を遣わせ、かかとに保湿クリームまで塗らせてしまった。
その上、智也は私を抱かなかった。
抱き締めてはくれたけれど。
いい年して、面倒臭いと思われたよな……。
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