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コンビニの入り口でテルテル坊主が揺れる
藁綱が首に巻き付いている。
「……うわぁ。のっ、能登さん……」
加賀は無意識に声を漏らした。
ゆらゆらとコンビニエンスストアの入り口を往復するそれは、彼の眼にとてつもなく不気味に映る。
「またそんな声だしやがって……。やる気がそがれるからやめて。そんなに邪魔ならその吊り人、落とせばいいのに」
レジの前に置いたパイプ椅子に腰かけている能登は、店内からすぐ外の不気味な振り子を眺める加賀に言い放つ。ぽそっと呟くような声色なのによく通る声だ。
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