新たな居場所

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だんだんと人が集まってきており、いくつかのグループが出来ていた。 大体、クラスの中での上の方と下の方で分かれる。それに、見分け方もとても簡単だ。 口数が少なく私のような人は、下。逆に盛り上がって生き生きしている人は上につく。 そして、上のやつらが私をいじめ始める。クラスはだんだんと騒がしくなる。私は得にやることも無く、話しかけることも出来ないため、窓の外の桜をずっと眺めていた。 しばらくして、隣りに男子が座った。吸血鬼だから、人の気配を読み取るくらいの感覚はまだ残っているようだ。 一応クラスメンバーだし、顔くらいは見とくかと思い、私は横目でちらっとその男子を見た。 不意に目が合ってしまい、私は一瞬見ただけで思いっ切り目を逸らした。よろしくね。の一言も言う場合ではなかった。 何故なら、隣にいたのが・・・桂さんだったから。
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