新たな居場所

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入学式が終わり、教室に戻り一息つく。入学式はとても息が詰まる。 後ろでお祝いをしている親たち。先生や生徒たちからも祝福を受ける。私にはどうもそれが居心地が悪いようにしか感じなかった。 すると、先程の先生が入ってきて黒板に名前を書いていた。私はその名前に驚いた。 「今日から一組の担任をする、大久保利通です。一年間・・・よろしく。」 まさかのあの大久保利通だった。私が幕末にいた頃に一回も会ってはいないけれど、もしかしたら、坂本さんといたら会っていたのかもしれないけれど。 「自己紹介は、明日の一時間目にやるとして・・・プリントが沢山あるので、配って終わります。」 口下手な先生だなと思いながらも、渡されたプリントを後ろの席の人に渡す。その時に、初めて後ろの席の人の顔を見た。 女の子だった。私がプリントを渡すと、ニコッとして「ありがとう」と言ってきた。 私は思わず声が出なかったが、返事をしなくてよかったのだろうか・・・。 そうして今日一日が終わった
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