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100回悪口言われた気分!
大通りに面した歩道。ふたりで肩並べて歩く。
高城寺さんのファッション!
長袖の部分だけ白の赤のワンピース。短い裾から白い脚。白のクルーソックス。
ステキ!可愛らしい!いまの高城寺さんにピッタリ!
ひとりで歩く男子!カップルの男子!!すれちがうたび、振り返る。
やっぱり土曜日。何度も高校生ぐらいのカップルとすれちがった。
高城寺さん、一組のカップルを、わざとらしく見送る。
「わたしたち、カップルじゃないけど」
よく心得てます。
「午前中。学校のボランティアで老人ホームの斑鳩苑に行ってた。
知ってるよね。七草さんが前にいたところ。
事務室に呼ばれた。
五十歳くらいの男の人と女の人。三十歳くらいの男の人がいた。
三人とも高そうな服着てた。三十歳くらいの男の人は、ロレックスはめてた。
五十歳くらいの女の人、ゴールドのイヤリングに真珠のネックレス。
本物だって思う。
五十歳くらいの男の人が挨拶した。
『七草多賀子を覚えていますか。孫の七草昭二です』」
孫の昭二さん。七草さんにぜんぜん似てなかった。
「祖母は独身のままでした。甥であるわたしの父を養子にしたんです。
だからわたしも、本当の孫ではありません。
こちらは、従妹弟の戸田教子。宮脇将太。」
ふたりとも軽く頭下げただけ。
日下部君には悪いけど、ニコニコ笑ってはいなかった。
どっちかというとね。怒った顔してたと思う。
『率直に聞きます。日下部という少年と祖母のこと、知ってますね。
あなたが祖母に頼まれて紹介したと聞いた。
間違いないですね』
何だか取り調べ受けてるかんじだった。
『はい』
わたしが答えると同じくらい、眼鏡かけたスーツの男の人が入ってきた。
『遅くなりました』
わたしに向って頭を下げた。
『弁護士の磯部さんです』
孫の昭二さんが紹介。
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