第1章:日比野から見た世界

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第1章:日比野から見た世界

「どうせ生きてたって… この先楽しい事なんて何も無いだろ。」 誰も居ない教室の窓から空を見上げて 俺は(つぶや)いた。 グラウンドでは野球部、サッカー部、陸上部 等の運動部の部員達が汗を流しながら 練習している。 俺の耳には彼ら部員達の掛け声と音楽室から 吹奏楽部が楽器を演奏する音が聞こえる。 なんでコイツらはこんなに 一生懸命頑張れるんだ? 俺には理解出来ない…。 俺の通う陰山高校は私立校だけど そんなに偏差値は高くない。 努力したって3流大学にしか入学出来ないし かといって全国レベルの強い部活も無い。 この高校に入学した時から 悪い意味で将来は決まっていると 俺は思っていた。
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