ももちゃん5歳。ちょきんつうちょうをつくる

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まどぐちのおねえさん、おかあさんがこまったかおをしています。 「だって、おばあちゃんのおかねをあずかってくれるっておとうさんが  いったよ。だから、このおかねはももちゃんのひきだしにはいって、  ももちゃんがかえしてちょうだいっていったときには、このおかねを  かえしてくれるんだよね?」 ももちゃん。 ぎんこうのしくみをしらなくてもむりはありません。 ももちゃんはぎんこうのなかにたくさんひきだしがあって、ももちゃん せんようのひきだしをつくってくれて、そのなかでおかねをふやしてくれると おもっていたのです。 【おばあちゃんがくれた、しわくちゃの1,000えんさつ】 が、ももちゃんにとってはなによりもたいせつなものだったのです。 いちはやくきづいたまどぐちのおねえさんが 「ももちゃんごめんね。ももちゃんからあずかったこのおかねも  ほかのひとからあずかったおかねも、みんなおなじへやにはいるの。  だから、せっかくの“おばあちゃんの”おかねだけれど、おなじものは  ももちゃんにかえせないわ」 それをきいたももちゃんはとてもかなしくなって、だまりこんでしまいました。 おかあさんがまどぐちのおねえさんに、 「すこしおじかんをください」 といって、ももちゃんをまちあいのいすにすわらせてくれました。
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