4人が本棚に入れています
本棚に追加
まどぐちのおねえさん、おかあさんがこまったかおをしています。
「だって、おばあちゃんのおかねをあずかってくれるっておとうさんが
いったよ。だから、このおかねはももちゃんのひきだしにはいって、
ももちゃんがかえしてちょうだいっていったときには、このおかねを
かえしてくれるんだよね?」
ももちゃん。
ぎんこうのしくみをしらなくてもむりはありません。
ももちゃんはぎんこうのなかにたくさんひきだしがあって、ももちゃん
せんようのひきだしをつくってくれて、そのなかでおかねをふやしてくれると
おもっていたのです。
【おばあちゃんがくれた、しわくちゃの1,000えんさつ】
が、ももちゃんにとってはなによりもたいせつなものだったのです。
いちはやくきづいたまどぐちのおねえさんが
「ももちゃんごめんね。ももちゃんからあずかったこのおかねも
ほかのひとからあずかったおかねも、みんなおなじへやにはいるの。
だから、せっかくの“おばあちゃんの”おかねだけれど、おなじものは
ももちゃんにかえせないわ」
それをきいたももちゃんはとてもかなしくなって、だまりこんでしまいました。
おかあさんがまどぐちのおねえさんに、
「すこしおじかんをください」
といって、ももちゃんをまちあいのいすにすわらせてくれました。
最初のコメントを投稿しよう!