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次の日の朝、一応大学生だった僕は一限目の授業のために家を出た。出席日数の関係上、単位をとるためにこれ以上の自主休講は認められなかった。玄関を出てマンションのエントランスを抜けると、昨日の女の子とすれ違う。ゴミを捨てた帰りのようだ。
「おはようございます。」
すれ違いざまに、あいさつをされる。
「どうも。」
僕は素っ気なく返してその場をやり過ごす。昨日の今日でよくも知らない誰かにさっそく出会うなんて気まずい。
大学の授業は退屈だった。というか眠かった。ただでさえよく分からない理論を無駄に難しく説明する教授にウンザリしながら受けていた。退屈しのぎに頭をよぎった朝の女の子とのあいさつについて考えてみることにした。ここからは僕のあいさつに関する持論をお聞きいただこう。
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