3cmの憂鬱

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********** 「あのふたり、やっとくっついてくれたんやな」 グラウンドを走り終えた弓道部の部員たちが、息を殺して、その光景を眺めていた。感激する女子部員たちとは対照的に、男子たちは半眼(はんがん)になってため息をついた。 「圭太(けいた)先輩の笑顔、めっちゃ怖かったよな」 「ヒナ先輩のことになると、あのひと豹変(ひょうへん)するからな」 「オレ、何回か死亡フラグが立ったわ」 日向子(ひなこ)の知らぬところで、“虫除け”に注力していた圭太。その犠牲者となった男子部員たちは、ようやく訪れた平和にほっと胸を撫でおろしたのだった。 なお、圭太が目論(もくろ)んでいた“ヒナとの同棲(どうせい)”だが、諸事情により延期されることになったのは、また別の話。 『3cmの憂鬱』完
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