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「あのふたり、やっとくっついてくれたんやな」
グラウンドを走り終えた弓道部の部員たちが、息を殺して、その光景を眺めていた。感激する女子部員たちとは対照的に、男子たちは半眼になってため息をついた。
「圭太先輩の笑顔、めっちゃ怖かったよな」
「ヒナ先輩のことになると、あのひと豹変するからな」
「オレ、何回か死亡フラグが立ったわ」
日向子の知らぬところで、“虫除け”に注力していた圭太。その犠牲者となった男子部員たちは、ようやく訪れた平和にほっと胸を撫でおろしたのだった。
なお、圭太が目論んでいた“ヒナとの同棲”だが、諸事情により延期されることになったのは、また別の話。
『3cmの憂鬱』完
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