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圭太とは幼稚園からの付き合いだ。どこにでもいるサッカー少年のひとりだったが、中学入学のあたりからモテ期が到来。高校に入ってからは、他校の学生からも告白されるほどの人気ぶりだ。
その煩わしさを遠ざけるため、“彼女がいる”という設定を持ち出すようになった。
それを知らずに告白する者もいれば、“略奪”を目論むツワモノもいる。
今回の挑戦者はどうやら後者のようで、卒業が近づきはじめたタイミングを見計らい、チャレンジしてきたようだ。
「……先輩に彼女がおってもええんです」
私じゃアカンのですか? と潤んだ瞳で見つめる彼女を一瞥し、日向子は息を吐いた。「今回のは、ずいぶん食い下がるな」と。
ふわふわとした長い髪。ぱっちりとした大きな目。こんな可愛いコから告白されたら、気持ちが揺らいでも仕方がない。
小柄な彼女が圭太と並んで歩く姿を想像し、日向子は気落ちする。
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