3cmの憂鬱

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だれからも好かれる好青年は、一体どこへいったのか。 普段の彼からは想像もできないような態度に、日向子(ひなこ)は目を丸くする。驚きすぎて、なにを言えばいいのかわからない。 「……さ、さっき告白してきたコ、メッチャ可愛かったな」 よりにもよって、口をついて出たのはそんな台詞(せりふ)圭太(けいた)の機嫌がさらに急降下したことを痛いほど肌で感じた。 「ヒナ、見てたんやったら、声かけてくれたらええのに」 「……声なんか、かけれるはずないやろ」 空気を読まないにもほどがある。 第一、告白現場に口出しする権利など私にはない、と日向子がかぶりを振れば、圭太はますます不機嫌になった。 「さっきの会話、聞いてたんやろ」
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