3440人が本棚に入れています
本棚に追加
/404ページ
っていうか、そもそも、佐野さんが私を誘ってこないだろうしな、と思っていると、
「葉山は?」
と訊いてくる。
「葉山、絶対、ないですよね……」
葉山も、なにか最近、不思議なことを言ってくるが、こちらとしては、気のいい友だちだな、以外の感情は湧いてこない。
「じゃあ、社長は?」
「あのー、おにーちゃん、既婚者な上に兄のようなものなんですが」
何故、そのメンツの中に入れる。
あれこそ、身内だろ、と思ったが、遥久は、
「既婚者だろうが、身内だろうが、関係ないだろ。
向こうがお前をいいと思っているのなら」
と言い出した。
「……思ってないですよねー」
「思ってるだろっ。
そうじゃなきゃ、あんな風に値踏みするように俺を見てこないし。
俺に睨まれて、あんなに怯える必要もない。
心にやましいところがあるからだ!」
最初のコメントを投稿しよう!