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でも、そろそろ真実にたどり着くべきときだ、と洸は思っていた。
結婚式も迫ってきている。
このまま結婚するなんて出来ない。
課長と結婚して、もっと幸せな気持ちになって。
あとで裏切られるとか、耐えられないから。
もっと早くに追求すべきだったのに、しなかったのは、きっと……。
目を覚ましたときからずっと、本当は課長のことが好きだったからだ。
そんなことを思いながら、遥久を見つめると、
「なに不安そうな顔してるんだ。
マリッジブルーか?」
と少し笑い、遥久は、そっと洸の頬に触れてきた。
「……黒幕なんて居ない。
ま、居るとすれば――
お前かな」
本当は洸の質問の意図がわかっていたようで、遥久は、そんな不思議なことを言い、口づけてきた。
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