後章

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どこへ行っていたのか、 どうやって「間に合わせた」のか、 そのくらいは聞きだしたかったのに、 なんだか何も言えなくなってしまう。 だって、私なら、景色に見とれている時に問い詰められたくなんてない。 夢よりも鮮やかな眺めの中で、 わざわざ問い詰めたくもない。 星空を見上げる人を見上げて、 ついでにその夜空も眺めながら、 さてどうしようかと考えてみる。 けれど、先に口を開いたのは横宮さんだった。 「──…あぁ。やっぱりだめか」 ついと目を伏せて、 何やら独り言のような響き。 小首を傾げつつ同じように視線を下げて、 ぎょっとしたのは私だった。 「よっ…横宮さんっ、灯りが消えてっ……!」 や、消えてはいない。 ただ、消えかけていた。 私が預かっていた時には煌々としていた鬼灯が、 いつの間にやら揺らめいて、 今にも光を手放しそうになっている。
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