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申し訳なさそうな声が恥ずかしくて、
笑ってごまかす。
青白い星の流れに沿って、
夜風がはらはらと髪を揺らした。
7月初めの夜は、夏をはらんでもまだ涼しい。
「──…来たっ!」
こちらの会話そっちのけで空を見ていた黒猫さんが、にわかに叫んだ。
頭に前足がのせられるから、
それを頼りに眼を向けた先で、
さっと白い色がひらめく。
空と地面の川の中間。
笹飾りの頂点と同じ高さを、
たくさんの鳥が羽ばたいていた。
夜陰を飛ぶ姿の、
所々を白い羽根が浮かびあがらせている。
群れという飛び方ではなかった。
二羽か三羽で、なんだか戯れ合うように、
それでも皆が同じ方向へ飛んでくる。
どこから来たというのだろう。
見渡す限り満天の星に、突然に現れた鳥影。
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