後章

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* 淡くたなびく天の川に、点々と星が輝いている。 カササギが来る前は区別できなかった光。 全部で九つ、 すべてが一等星に変わったような瞬きに、 私の口がその名前を呟いた。 「……はくちょう座」 天の川に陣取る鳥の、広げられた翼の部分が、 淡く紅色に色づいていた。 あの場所にあんな色があったろうか。 大きな翼の端から端へ、 まさしく橋のように渡された色。 「見て」 囁き声に視線を下げる。 横宮さんが指した先、足下を流れる星々にも、 気づけば同じような橋が架かっていた。 はくちょう座から真下をたどった位置に、 こちらは白く光る帯。 私たち同様、 すべてを止めて見入っていたらしい対岸が、 徐々にまたお祭りの音を響かせ始める。 「あー、終わったぁ! 横宮さんっ、本当にありがとうございましたぁっ」 言葉通りの解放感で、 黒猫さんが声をはずませた。
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