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「でも砂肝は私の大好物じゃありません。
そりゃ、こっちにお土産を持ちこむ時は、
一応家族の分も買ってましたけど……、
とにかく、そのまま自宅で料理したらなんだかむなしくなりそうで、せっかくだし横宮さんにごちそうしようと思ったんです」
まだほかほかしている砂肝へ、
終わりにまたため息ひとつ。
好きでしょ、とは、
何日か前に友達にも言われた言葉だ。
何だろう。この人同様変人扱いされることは何とも思わなかったのに、この人同様砂肝好きと思われることにはもやもやした抵抗を感じる。
お隣さんは箸を止めたまま黙っていた。
かと思えば、少しためらうようにした後で、
「…好き、じゃない?」
「はい?」
「……時々買ってきてくれる焼き鳥にも、
大抵二本入ってるし。
大好物とはいかなくても、栗ちゃんも好きになってくれたかと思っていたんだけど……。
違った、かな」
「………」
……ああ、そんなに切ない目をしなくても。
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