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”母”
あの子は子供の頃、野菜が苦手だった
それでも、なんとか野菜を食べてほしくて
私は、あの子が好きなかぼちゃと旬の野菜で、スープをつくることにした
あの子は、これでもかと野菜の入ったスープを、ずっと眉間にしわを寄せて
食べていた
でもいつからか、お母さんスープは?と笑顔で、たずねてくるようになった
あの子は優しいから、きっと気付いていたんだ
私が息子のため、生活のために、あれこれ工夫していたことを
「ただいま」
「おかえり、おなかすいたでしょう、はい、かぼちゃのスープ。」
親子2人の食卓は、いつだって、あたたかった
週末、あの子がまた、帰ってきてくれるみたい
楽しみだな、スープの具材は、なににしようかしら。
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