”母”

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

”母”

あの子は子供の頃、野菜が苦手だった それでも、なんとか野菜を食べてほしくて 私は、あの子が好きなかぼちゃと旬の野菜で、スープをつくることにした あの子は、これでもかと野菜の入ったスープを、ずっと眉間にしわを寄せて 食べていた でもいつからか、お母さんスープは?と笑顔で、たずねてくるようになった あの子は優しいから、きっと気付いていたんだ 私が息子のため、生活のために、あれこれ工夫していたことを 「ただいま」 「おかえり、おなかすいたでしょう、はい、かぼちゃのスープ。」 親子2人の食卓は、いつだって、あたたかった 週末、あの子がまた、帰ってきてくれるみたい 楽しみだな、スープの具材は、なににしようかしら。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!