死神さんの預け物

10/42
前へ
/42ページ
次へ
「道理で、ねぇ。君みたいな存在を見るのは、初めてだけど。 それなら俺の姿が見えて当然だよね」 少し語尾が伸びた、のんびりとした口調。 ただ雑談しているような、そんな雰囲気。 なのに、そのまま最大級の爆弾を落としてきた。 君みたいな存在って・・・。 まさかこの人知ってるの・・・? そんな私の反応を見て、肯定ととったのか柔らかく、いや、妖しげに微笑む。 「時を超えるって、大変そうだね」 ・・・何で、バレたんだろう? 私が、この時代の人間じゃないってことが。 何で? 何で? 頭はものすごいスピードで回ってるのに、体がついていかない。 今すぐ否定しないと。 分かってる。 分かってるよ。 ただ、口が動かないんだよ。
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加