死神さんの預け物

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「やっぱり苦労したの?」 何でこいつは嬉しそうにっ・・・! 「っ・・・、何で、分かった、の?」 「何でって言われても、そんな簡単には教えらんないなぁ」 ようやく動いた口。 声が震えてるのが、自分でも分かる。 声だけじゃない。体も崩れ落ちそうになった。 見た目も、言動も、何も変な所は無いはず。 いや、無くしてきた。 もしも、この事が周りに知られたら、私はここにいられない。 確実に、頭のおかしい人間だと思われる。 そうなったら、お世話になっている権兵衛さん達にも迷惑がかかる。 だから必死で、この時代に馴染もうとしてきたのに。 なのに目の前の男は軽く、冗談を言うように返してきた。 「何でっ・・・!どうしてっ・・・」 「あぁ、大丈夫だよ。他の人には言わないから」  だから、 「何で分かったのって聞いてるの!」
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