死神さんの預け物

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誰だろ? 日がくれてから出かける人は珍しい。 その人は私の前を通り過ぎるだけだと思った。 それなのに、立ち止まってこっちを見てくる。 そんなにジロジロと見なくても・・・。確かに往来で泣いている人間は不審だけどさ。 知らんぷりを決め込んで、箒で地面をはく。 よし、掃除に集中・・・できない。 だってずーっと見てくるから。 ちらりと見てみれば、その人は男の人のようだった。 雅也と同じくらいの背丈かな。 しょうがなしに顔を上げる。 当然目が合う。 「何かご用ですか?」 はっと相手が息をのんだ。 何だろ。そんなに見てて気づかないとでも思ったのかな。 変な人。 向き合ってみると、変な人は格好も変だった。 
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