1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
どがっ!!
痛い・・・2度も御主人に蹴飛ばされた!!
「おい・・・ウスノロ!!まだイノシシを探せねぇのか!?
あの憎たらしいイノシシ探して、かれこれ1時間だ!!」
俺は、猟犬だ。
名前を『セルポ』という。
父も猟犬だ。
『ポチ』という名前の、ハンター内でも名の知れた猟犬の子なのに・・・
「おい・・・名犬の仔だから調子こいてるんじゃねーよ!!
こちとら、処分した2匹分の頭の悪い猟犬の保険金使って買ったんだから、その分仕事しろや!!」
どがっ!!
今度は尻を蹴飛ばされた!!
何でこんな、猟犬を『物』としか想わない御主人のパートナーにされたんだ?!
ちくしょう!!ちくしょう!!
本当は、俺は『狩り』なんかやりたくねぇんだ・・・
この御主人は、農作物を食い荒らすイノシシを根刮ぎ駆除して、多額の報酬を得ようとしているんだ。
それは解る。
でも、この御主人はイノシシだけでなく、タヌキやらテンやらイノシシと関係ない動物達まで銃で撃ち殺している。
だって、この狩りはイノシシ退治でしょ?!
何で俺が、この殺戮の手助けをしなきゃならんの?!
仕方なく俺は地面に鼻を押し付けて、クンカクンカとイノシシの匂いを追いかける。
クンカクンカ・・・
クンカクンカ・・・
最初のコメントを投稿しよう!