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タネ明かしをすると、こういうことだ。
怪盗赤ずきんちゃんの仲間が、東京芸大の学生のフリをして館内に入場する。芸大生なら、カバンにキャンバスを入れていても不思議ではない。
実はその中に赤の時代の精巧なレプリカが入っており、終戦記念日の正午の黙祷の間に、館内にいる全員が目を閉じているわずかな間に、本物とすり替える。
あとは火災報知器を鳴らして、避難する客を装って、堂々と出るだけだ。
赤の時代は幻の絵画だ。その真贋をすぐさま見極められる専門家は、日本にはいない。
10号のキャンバスは、野球の応援ボードとほぼ同じくらいの大きさである。スタジアムの警備員も気づきようがない。
ぼくはヒントをもらっていたのにわからなかった。
やっぱりちゃんと目を開けて見てなきゃダメだったのだ。
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