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西武沿線
奇妙な電話を受けた日から約2週間後。
ぼくは今年のオールスターが東京ドームで開催されるのを利用して、西武沿線沿いにある実家に帰ってみた。
本棚の中から卒業アルバムを取り出してみる。ぼくと怪盗赤ずきんとの間に接点があるとしたら、ヒントがこの中にあるはずだ。
小学校から高校まで、すべてのページをめくってみる。懐かしい思い出がよみがえってくるが、これはと思う女の子はなかった。
仲の良かった女の子はそもそも覚えているし、電話では、怪盗赤ずきんを名乗る女は、ぼくのことがずっと好きだったようなことを言っていたけど、ぼくは誰かにひそかに思われるようなタイプでは決してない。
たいていぼくに好意を持ってくれるような女の子は、その前に十分に会話を交わしてお互いに深く知り合っていた。
誰かに憧れられるような、みずみずしい学生時代を過ごしたりはしなかったのだ。
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