第一章

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第一章

 全くの砂漠と言っていい。辺り一面、砂だらけである。時折吹き荒れる砂嵐が、視界をさえぎっている。もはや、方角すらわからなくなっていた。  そんな中、一人の少女が歩いていた。年は十五、六歳と思われる。長い髪は乱れていて、強い風を受けたせいか服装もボロボロになっている。だがそんなことも気にならないのか、少女はただ歩き続けている。まっさらな砂に、足跡が一つずつ増えていっている。  彼女はどこから来たのか。なぜこのようなところを歩いているのか。そしてどこへ向かおうとしているのか。もはや彼女自身にもわからなくなっていた。ただ一歩ずつ、足を進めているだけである。  照りつける太陽が、容赦なく彼女の体力を奪っていく。歩く速度は、徐々に遅くなっていった。喉の渇きも、さらに体力の消耗につながっていった。ついに足が止まった。もう一歩も歩けなくなってしまった。そして彼女は、そのまま倒れてしまった。  まわりには誰もいない。誰も助けてくれない。ただ強い風が吹いているだけだった。
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